RESEARCH THEME 研究テーマ

研究所設置の目的objective

コベルコ建機 夢源力共創研究所は,
広島大学とコベルコ建機の産学連携事業をより強固に,発展させる形として設置された研究所です。
にして,明日のへと変えていくために,建設機械とそれを使い働く人を対象とした様々な研究が実施されます。
具体的なテーマを研究シーズと連携させることで,「創造性に富んだ先進的かつ卓越した研究成果を創出」 し,
それらを油圧ショベルに実装していくことで,社会の課題解決や産業の進歩,学問と教育の進展を目指します。
また,それらに対する取組から,大学&企業の新たな価値を発信していきます。

図:民間企業等外部機関の研究制度

研究所開設:2018年4月1日
名称:コベルコ建機夢源力共創研究所
英名: KOBELCO Construction Machinery Dream-Driven Co-Creation Research Center

研究テーマ概要outline

建設機械は,人間と同じ動作を,それよりもはるかに大きなスケールで実現する作業機械です。例えば,穴を掘る,荷物を運ぶ,物を吊り上げる,ビルを解体する,自動車を解体する,等の作業は,人間でも時間をかければ行うことができますが,油圧ショベル等の建設機械を使用することにより,作業効率を上げることができます。
夢源力共創研究所では付加価値の高い建設機械,作業を実現するために複数の共同研究講座・共同研究・学術指導によって研究が進められています。

先端制御技術共同研究講座

図:快適に作業するためには

現在,油圧ショベルのほとんどは,人間の操作によってその作業を実現します。より効率的な作業とするには,人間の様々な状態,例えば感性,技量,疲労度等に基づいて機械が作業者に合わせることで,作業者の機械に対する欠乏欲求を満足させ,また,成長を促すことが可能なショベルである必要があります。なお,いままでは,多少違和感のある作業機械であっても,作業者が機械に合わせることで作業量が確保されていました。しかし,どのような作業機械にも合わせられる熟練作業者の数は年々減少していきます。 この研究講座では,特に技量や疲労度を知り,「操作しやすい」「疲れにくい」「若手も乗りこなせる」を具体的なテーマとした研究に取り組んでいます

図:controllerからsystemへの流れ

次世代ヒューマンインターフェース共同研究講座

図:遠隔操作

この研究講座では,油圧ショベルと操作者の接点である入出力部分(=インターフェース)について研究を行っています。 油圧ショベルの操作者は,視覚情報,機体の傾きや音などを受け取り,それらの情報を総合的に認知・判断し,それに応じて操作を瞬時に変更しながら作業することが必要です。また操作者が油圧ショベルを動かすには,レバー,ペダルやボタン操作など複雑な操作が必要です。そこで,人間の知覚特性に応じた情報をフィードバックすることや,人間の運動特性に合った操作システムとすることで,操作者を含めた機械全体としてのパフォーマンスを向上させることができるのではないかと考えています。具体的には,遠隔操作ショベルにおける適切なフィードバック情報などのテーマに対し,シミュレータやVRシステムを用いて取り組んでいます。

データ駆動型スマートシステム共同研究講座

図:システム

デジタルトランスフォーメーション,Society5.0の実現に向け,建設業でもIoT,ビッグデータ,AIを活用した新たな価値の創出が必要となります.そこで,建設業における新たなワークスタイルの確立,質の高い建設機械の安定的な供給の実現を目指し,生産,施工,サービスの分野での研究を進めています.
生産:多品種少量生産である生産ラインでは,機械学習やAIを適用する為の操業データの数が不十分となる場合が多くなります.そのような場合でも,    操業データを活用し生産ラインの最適化を行うための方法について研究しています.
施工:一人のオペレータで複数台の遠隔操縦建機や自動建機を駆使した施工ができれば,現場生産性の飛躍的な向上が達成できると考えられます。    そのような施工で活躍できる油圧ショベルの,デジタルツインでのデータやモデルを活用した制御系について研究しています。
サービス:油圧ショベルから得られる稼働中のデータを機械学習やAIなどにより分析し、故障の予兆を事前に検出することでアフターサービスに繋げます。

                                                        

     

心理適応型スマートシステム共同研究講座

図:心理学×制御工学

建設業界では少子高齢化や作業効率向上の必要性に伴い,優秀な建設業技術者の育成・確保が喫緊の課題となっています。この課題の解決策として建設現場や労働環境の改善が挙げられ,その一助として技術者たちのWell-being(※)を充足することが重要といえます。本研究講座では現場で働く技術者の心の状態を定性・定量的に把握する技術を用い,それらの情報を建設現場や建設機械に反映できる理論やシステムを導入するための研究を行います。人の心も建設作業も適応的に持続でき,技術者がWell-beingを感じられる労働環境の実現を目指します。

※ Well-beingとは心身が良好な状態であることを指し,ポジティブ感情 (Positive emotion),没頭 (Engagement),人間関係 (Relationships),生きる意味 (Meaning),達成 (Accomplishment) の5つの要素から構成される考え方です (Seligman, 2011) 。